今回はツールを使ってトピックマップを作成していきます。その前に、ここで利用するツール、OKS-Samplersは入手済みでしょうか?OKS-SamplersはOntopia社が自社の製品OKSを試用のために無償で配布しているツールです。まだ入手していない場合は、以下のサイトからダウンロードの申込みを行いましょう。
OKS-Samplersのダウンロード申込
申込みが終わると、登録したメールアドレスにダウンロード用のURLが送られてきますので、ダウンロードとインストールを済ましてしまいましょう。
トピックマップの入力には、OKS-Samplersに含まれるOntopolyというエディタツールを使います。OKS-Samplersは全てブラウザ経由で利用するツールです。起動した後、ブラウザでアクセスすると、次のようなメニュー画面が出てきます。

ここから”Create”と書かれたリンクをたどり、Ontopolyを起動します。

前回考えた書籍を管理するトピックマップでは、次の型を定義します。
●トピック型
- 書籍(「書籍」を表す)
- 人(「著者」を表す)
- 企業(「出版社」を表す)
●属性を表すための出現型
早速トピック型を定義していきましょう。Ontopolyの画面で、”Ontology”と書かれたタブを選び、その中の”Topic Types”を選びます。トピックマップを作るには、まずここで作成するトピックマップの中に出てくるトピックの種類(型)を定義してやります。最初から全ての種類(型)が決まっている場合は、ここでどんどん入力してしまいます。まだ一部しか考えられていない場合でも、後でいくらでも追加できるので、決まっている分だけで構いません。
書籍=Book、人=Person、企業=Companyとして定義します。こんな感じです。

Nameにトピック型の名前を入力します。PSIはPublish Subject Indicatorsの意味です。日本語では「公開された主題指示子」でしょうか。
トピックマップを作る際に、様々なトピック(主題)を定義していきます。例えば今回のように「書籍」という主題(概念)を表すトピック型をBookという名で定義します。
PSIはこうして定義したトピック(主題)を同定可能にする仕組みで、ネットワーク上で永続的に公開し、トピックマップの共有/交換を容易にすることを目的にしています。つまり、ネットワーク上で同じPSIで示されるトピックは、同じ主題を示していることになります。名前が「書籍」でも「本」でも、はたまた「Book」でも同じ概念を指しているということですね。次のような特徴があります。
- トピックマップ標準に含まれているメカニズム
- 主題にURLを割り当てて、主題識別(2つの主題を同一とする、又は1つの主題をもう一方の主題と区別する)を可能にする
- トピックマップのマージ処理の時点で、トピック(主題)の識別に利用する(同じ主題を持つトピックは、マージされる)
- コンピュータ、人間の両方に主題識別のメカニズムを提供
- コンピュータ内の情報リソース、実世界の対象物の両方に適用可能
- 誰でも公開可
- いいものが生き残る
任意のURIの形式で PSIを定めますが、ここは自分のドメインを使ってURIを作ります。今後どんなPSIを作っていくか未定ですが、とりあえずこんな感じでURIを作ってみました。 "http://psi." + ドメイン名 + "/ontology/" + トピック型名(全て小文字)
他の二つ、「人」と「企業」も同じように定義します。
これだけでトピック型の定義はできました。簡単ですね。次回はジャンルを表す出現型を定義し、さらにそれをトピック型の定義に盛り込むことを定義します。
つづく
OKS修行第一回です。通例この手の連載はツールのインストールからスタートしますが、ここでは今回作成する書籍の管理のためのトピックマップを考えます。
一般にトピックマップの作成を考える時、1)トピックの種類(型)を考える、2)トピック間の関係を考える、3)トピックにリンクするリソース(出現)を考える、といった順に考えていくと分かり易いと思います。今回もこの順で考えていきます。まず、今回は書籍を管理するためのトピックの型を考えます。
書籍を管理するためには、通常書誌情報を用います。書誌情報とは、書名や著者、出版社など書籍の持つ属性を表す情報のことです。ここでは、「書籍」にはその属性として、「書名」「著者」「出版社」「ジャンル」があるとしましょう。この「書籍」はまず最初のトピック型の候補となります。「書名」は「書籍」の名前と言えます。つまり、個々のトピックの名称とできます。「著者」は例外もありますが、一般に「人」により表されます。そこで、今回は「著者」の型を表すトピック型として「人」を導入します。
余談ですが、「書名」と同じく「著者名」を「書籍」の単なる属性としてしまうこともできます。この場合、「人」トピックの導入など不要です。この判断は、作成するトピックマップでどこまで複雑なことを行いたいかによります。また、対象を考えて、自然に独立したモノとして区別できるものは、独立したトピックとするのが後々トピックマップを拡張していく場合も楽になると思います。
「出版社」についても「著者」と同じく、何らかの組織や企業を表していると考えられます。そこで、「企業」というトピック型を導入します。最後に「ジャンル」ですが、ここでは簡単に「書籍」の属性情報としてしまいます。属性情報はあるトピックに対する出現で表しますので、そのために「ジャンル」という出現型を導入します。
以上を整理すると、次のようになります。
●トピック型
- 書籍(「書籍」を表す)
- 人(「著者」を表す)
- 企業(「出版社」を表す)
●属性を表すための出現型
「著者」や「出版社」を表すには、「書籍」型のトピックと「人」型のトピックを何らかの関連で関係づける必要があります。これは関連を考えるステップで決めて行きましょう。
まずはここまでで、書籍を管理するためのトピックマップの主要な型を定義できました。次回はこれらを実際にツールを使いながらコーディングしていきます。
つづく
トピックマップもまず自分で作ってみないことには何ができるものやらイメージがつかめないものです。そこで、OKSを使いながら身近な話題で実際にトピックマップを作ってみます。その過程をアレコレとこの場で書いてみようと思います。
- OKS-Samplersを使う。
- 書籍を整理するトピックマップを作ります。
- 2回/週以上更新します(自分へのノルマ)。
- データはダウンロードして試せるようにします。
こんな感じで進めて行きます。ご意見ご感想は是非コメントにてお寄せください。
トピックマップを利用したアプリケーションを作成するためには、全ての処理を自分でプログラミングすることも可能ですが、多くの場合商用・非商用のライブラリ/ミドルウェアを用います。
トピックマップを扱うことができるライブラリ/ミドルウェアは多数ありますが、その中でもJavaによる開発、Webアプリケーション開発用のフレームワーク、高度な検索機能を備えたOntopia Knowledge Suiteがメジャーです。OKSは非常に高価な商用ソフトウェアですが、販売元Bouvet社のサイトでは、サンプル版(OKS-Samplers)をダウンロードし、試してみることができます。TopicMaps.jpでは、これから不定期ではありますが、OKS-Samplersを用いたトピックマップの楽しみ方を紹介していきたいと思います。お楽しみに。
WordNetのトピックマップで紹介されたサイトでは、トピックマップを編集するためのツール(Javaアプリケーション)”Wandora“も配布されています。
トピックマップを使ったアプリケーションを開発しようとする場合、どのようにしてかトピックマップを作成する必要がありますが、多くの場合はテキストエディタを使ってXTMやLTMの構文で手作りする、というのが実感です。ほんの数個のトピックと関連を試すだけならそれも良いですが、本格的なトピックマップを作成するには、やはり快適なツールが必要です。
WandoraはOSを選ばないJavaアプリケーションです。これから少し試してみようと思います。興味のある方は是非、使用した感想などお寄せください。
Wandora公式サイト
ちょっと前の話ですが、7/13日に、topicmapmail に、Aki Kivela という人から、WordNET のトピックマップ版を作った旨のメールがありました。早速試してみたところ、parsing error が発生しました。そのことを連絡したところ、7/31日に、バグを修正した旨の返事がありました。新しい版は、問題なく利用できました。
以下からダウンロードできます。
http://www.wandora.org/wandora/wiki/index.php?title=Topic_map_conversion_of_WordNet
このような事例が、もっともっと増えるといいですね。
TMRA 2007の参加申し込みが開始されました。下記のアドレスから申込用紙のPDFファイルをダウンロードし、手続きを行ってください。
TMRA 2007参加申込用紙(PDFファイル)
10月10日に行われるtutorial@TMRAへの参加は50ユーロ、その後二日間のTMRAへの参加は180ユーロです。今ユーロ高ですからね。チュートリアル含め三日間で35,000円程度ですね。なお、8月27日までに申し込むとTMRA参加費は150ユーロと早期割引があります。
トピックマップに関する世界的なイベントは現在3つあります。これらは、トピックマップの先駆者達が毎年定期的に開催している(予定)大きなイベントで、ISO/IEC SC34の標準化会議が会期に前後して同じ場所にて開催されることも共通しています。
TMRA
2005年、ドイツ東部の街ライプチヒで第一回TMRA 2005が開催されました。Topic Maps Research and Applicationsの名の通り、比較的研究ベースの話題が多く、学生による意欲的なプロジェクトの紹介も多数含まれています。毎年10月中旬に同街で開催され、今年のTMRA 2007は10月11日、12日の二日間です。また、通例ではTMRA開催前日の一日はチュートリアルセッションが設けられます。世話役でTMRA CommitteeのChairであるはUniversity of LeipzigのLutz Maicher氏は非常にエネルギッシュな方で、ご自身も多くのトピックマップに関わるプロジェクトを持たれているそうです。
AToMS
“Asian Topic Maps Summit”の名の通り、(東)アジア地区で開催された初の国際会議です。韓国の標準化団体の尽力により、2006年6月、韓国のソウルで第一回会議AToMS 2006が開催されました。今年2007年は嬉しい事に、12月にAToMS 2007を日本の京都で開催することが決定しています。まさに”Asian”の名の通り、韓国、日本に限らずアジア各地で開催していくことを計画しています。
Topic Maps 200x
2007年3月に国際会議として第一回Topic Maps 2007がノルウェーの首都オスロで開催されました。それ以前はEmnekart 200x(ノルウェー語で「トピックマップ」の意)の名でノルウェー国内のイベントとして開催されていました。複数のクラスに分けたチュートリアル一日、企業や研究者の発表セッション一日の計二日開催されました。今後も同様の会期で開催される予定です。
10月にライプチヒ(ドイツ)で開催されるトピックマップの国際イベント、TMRA 2007のプログラムが決定しました。今回も産業界における事例発表から、研究ベースの標準化に関するものまで、幅広い話題のセッションが用意されています。
■セッション一覧
- Applied Topic Maps in Industry and Administration
- Information Management with Topic Maps
- Collaborative Applications
- Standards Related Research
- Demonstrations
- Poster Session
- Information Integration with Topic Maps
- Social Software
- Topic Maps Engines
- Topic Maps and Dublin Core
- Visualization of Topic Maps
- Open Space Session
TMRA 2007プログラム
昨年ソウルで開催されたAToMS – Asian Topic Maps Summit 2007が、今年は日本の京都(京都リサーチパーク)で開催されます。日本のTopicmapperにとっては、手軽に世界の情勢を知る絶好の機会です。ふるってご参加ください。
詳細はこちら。
AToMS 2007公式サイト
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